おまけ

「わあっ…これ、食べていいの?」
「ああ、もらったんだ。クレスティーユに、と」
きゃあきゃあ、と歓声を上げるクレスティーユ。さすがに女の子。甘いものは大好きだ。
「ねえ、クレイシヴ」
「何だ?」
「…クレイシヴも、一緒に食べよ!」
だって一人より二人で食べたほうがおいしいよ。笑顔で言う彼女。
「…そうだな、私ももらおうか」
やさしい子に育ったなあと、微妙に親ばかな気分でクレイシヴは答える。実は甘いものはそれほど得意ではなかったが、もらったケーキは直径10センチくらいの小さなものだ。たぶん大丈夫だろう。
しかし、彼はお子様向けに作られたケーキの甘さをを甘く見ていた。わかりにくいが。
「いただきまーす♪…おいしいっ」
一口食べたその瞬間、クレスティーユは歓声を上げ、クレイシヴは固まった。ひたすらに甘い。一口目ですでに限界に達しそうである。
「クレスティーユ…」
「このケーキすごくおいしいね、クレイシヴ!」
「…それなら、少し私の分も食べないか?」
その言葉に、クレスティーユはちょっと考えたようだが、ふるふると首を振った。
「ううん、きちんと半分こしたんだから。わたしばっかり食べたらずるいよ」
天使のような笑顔。こんな顔をされて、そんなことを言われて、その申し出を断ることができようか。
「そ、そうか…では自分で頂くかな」
できはしない。
甘い甘いケーキの二口目を口に入れて、このケーキをくれた男への感謝が、少しばかり薄れたのをクレイシヴは感じていた。



Cresteaju一周年記念、おめでとうございます。…それで書いた話なんですけど…。なんか、切ないを通り越して暗い話になってしまいお祝いムードはどこへやら。というわけで、フォローとして、その後の展開をつけてみたんです。ものの見事にフォロー失敗☆
クレスティーユ十歳の誕生日。この後に大クレーター発生です。オリジナルキャラクターが出ているといえば出ているのですが、イメージはあの盾をくれたおじさんです。記憶の中で、あのおっちゃんだけが無性に優しく思えまして…彼はクレスティーユってことを知らなかったから優しかったのかもしれませんけどね。





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